未成年者の相続放棄

 相続放棄のご相談をいただく際に、お客様が一番心配されているのが相続放棄の期限です。


 相続の放棄は、相続人が自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に行わなければならない(民法915条第1項)という定めがある為です。

 

 未成年の方が相続人になった場合で、相続放棄をする場合にもこの規定が当てはまります。

 

 ただし、未成年の方が相続放棄をする場合には、法定代理人が代理して行う必要があります。

 共同で親権を行使していた場合(ご両親がお子さんを育てていた場合)には、当然に、片方の親が亡くなった場合、もう一方の親が親権者=法定代理人となり相続放棄をすればよいのですが、お一人で親権を持たれていた方が亡くなった場合、少し手続きが異なります。


 お一人で親権を持たれていた方が亡くなった場合には、まずは未成年の方に、未成年後見人を選任するか、片方の親が親権者変更の申し立てをして法定代理人になる必要があります。

 この手続きを行うためには、時間がかかりますし、法定代理人が選任されない限り、未成年者の相続放棄の申し立てができない状態になります。したがって、新しい法定代理人が選任されてから初めて相続放棄ができるので、相続放棄の起算点も選任時になります。

 

 また、相続開始時に未成年であり、親権者が単独親権で、いまだ新しい法定代理人が選任されない間に、20歳に達し成年になった場合には、20歳に達した日が起算点になります。


 上記の2つのケースは、以前当事務所でご相談いただいて、実際に家庭裁判所で認められたものですが、状況により異なることもあります。

 

 未成年の相続放棄で、お悩みの方はお気軽にご相談ください。